お役立ちコラム

全額損金に算入できる飲食費について

全額損金に算入できる1人当たり5,000円以下の飲食費とは、どの様なものでしょうか?
飲食に係る費用であれば、何でも含まれるのでしょうか?

  お問い合わせの飲食費とは社内飲食費を除く、「飲食その他これに類する行為のために要する費用」を言います。

 よって社内飲食費(専ら当該法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するもの)以外の、下記のものが該当します。

 イ 自己の従業員等が得意先を接待して飲食するための「飲食代」

 ロ 飲食等のために支払うテーブルチャージ料やサービス料等

 ハ 飲食等のために支払う会場費

 ニ 得意先等の業務の遂行や行事の開催に際して、弁当の差入れを行うための「弁当代」(得意先等において差入れ後相応の時間内に飲食されるようなもの)

 ホ 飲食店等での飲食後、その飲食店等で提供されている飲食物の持ち帰りに要する「お土産代」

 

 また接待の主催者が自社でなくとも、同業者同士の懇親会に出席した場合や、得意先等と共同で開催する懇親会に出席した場合に支出する自己負担分の飲食費相当額も、飲食費に含まれることとなります。会社同士で接待し合っており、社内飲食費に該当しないと考えられるからです。

 

  一方、飲食費が「飲食その他これに類する行為のために要する費用」であることから、下記のものは飲食代であっても除かれます。

(1) ゴルフや観劇、旅行等の催事に際しての飲食等に要する費用

ゴルフや観劇、旅行等という飲食以外の行為の一環として飲食等が実施されるものであり、その飲食等は主たる目的である催事と一体不可分なものとしてそれらの催事に吸収される行為と考えられるからです。

 

(2) 接待等を行う飲食店等へ得意先等を送迎するために支出する送迎費

飲食ではなく、送迎という行為に要する費用と考えられるからです。

 

(3) 飲食物の詰め合わせを贈答するために要する費用

飲食ではなく贈答であり、いわゆる中元・歳暮と変わらないと考えられるからです。

 

<参考文献等>

国税庁HP 接待飲食費に関するFAQ

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/settai_faq/01.htm

 

(掲載日:2015年8月4日)

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