お役立ちコラム

一括償却資産の損金算入限度額について

弊社では、一括償却資産につき会計上は一括で費用処理を行い、税務上で申告調整しています。しかし、昨年度の申告の際に申告処理を誤り、3年を経過した一括償却資産の簿価が申告書上に残っていました。この一括償却資産は、いつのタイミングで損金に算入されるのでしょうか、もしくは永久に損金にはならないのでしょうか。

「取得価額が20万円未満の減価償却資産については、各事業年度ごとに、その全部又は一部の合計額を一括し、これを3年間で償却する一括償却資産の損金算入の規定を選択することができます。」と記載があるように一括償却資産の規定を選択した場合、税務上は3年間で損金に算入します。今回は例外的に申告処理を誤り、3年目で認容処理をしなかったために4年目にも簿価が残ったとのことですが、このような場合は、会計上は一時に費用処理を行っており、税務上も3年間で損金算入されるべきものですから、4年目以降は残高に気づいた時点で損金算入できます。

参考条文

法人税法施行令第133条の2

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